冷暖房ナシ
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書籍名 冷暖房ナシ
シリーズ 単行本
著者 山本夏彦
初版発行 昭和五十九年十一月二十日 〔1984年〕
紹介版 昭和五十九年十一月二十日 第一刷
発行者 西永達夫
発行所 株式会社 文藝春秋
ISBN 4-16-339270-X
定価 1,100
257
印刷所 共同印刷
製本所 加藤製本
装幀 坂田政則
カバーイラスト 川田 徹
初出 「諸君!」―『笑わぬでもなし』 昭和56年11月〜昭和59年8月
かいつまんで言う  「諸君!」に連載の『笑わぬでもなし』をまとめた4冊目。
 文藝春秋の「諸君!」「文藝春秋」に連載したものを纏めたシリーズは『装幀:坂田政則 
カバーイラス:川田憲一または川田 徹または川田 進』でありこれはその9冊の第3冊目で
ある。
 山本氏の本職は、インテリア雑誌を発行する出版社を経営することであり、その雑誌はこの
時代でもうすでに一流である。本書のタイトルとなったコラム「冷暖房ナシ」に『私の雑誌は
インテリアの専門雑誌で表紙をはじめカラーは豪勢である。何より上品である。執筆者は
すべて一流である。新人が逸早く登場するのは、有名になると書いて貰えなくなるからその前
に書いて貰うのである。』と書いている。
 復刻版が出るまで、幻の名本と言われていた「年を経た鰐の話」は当時櫻井書店から出版
したもので、その櫻井書店櫻井均氏のことを書いた「苦しむ人」は苦いものであり櫻井氏は
無名不遇の人を贔屓する癖があり、ある作家の本を出版し世間に出してやりたいと披露の
宴を張ったが『客のふとした言葉尻をとらえて、ふた言みことやりあったかと思うと逆上して
大声疾呼してその宴をめちゃめちゃにしたと私は当人から聞いたことがある。友のためよかれ
と身銭を切って一席設けて、自分でその宴をこわしたのだから慚愧にたえないとはいうも
愚かである。あとは七転八倒の苦しみを苦しむだけである。狂人ではないかと笑ってはいけ
ない。』と書いて、昭和35年きっぱり廃業したのも『至誠は天に通じるというが、いくら赤心を
吐露しても通じないことがあるのを桜井は早く知っていたのだろう。』とし、全体に愛情深いが
醒めた目があるのである。
 また「挨拶一」に洒落で『実をいうと私は月間「文藝春秋」にこれを連載したら読者も飛躍的
にふえるだろう、そしたら単行本も売れるだろう。「諸君!」に書いて損したとしばらく思って
いましたが、それがそうでないことが分かりました。』と書いている。
 「諸君!」の巻末を飾り、「諸君!」の評判を上げたのも山本夏彦氏の力は大きかったので
ある。
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シリーズ 文春文庫
初版発行 1987年11月10日 〔昭和62年〕
紹介版 1987年11月10日 第1刷
発行者 西永達夫
発行所 株式会社 文藝春秋
ISBN 4-16-735204-4
定価 380
280
印刷 凸版印刷
製本 加藤製本
装画 早坂 信
AD 山田淑子
初出誌 単行本 昭和59年11月文藝春秋刊
解説 徳岡孝夫
かいつまんで言う  山本夏彦氏の文春文庫18冊の4冊目。
 解説は徳岡孝夫氏で、深い交友のある彼は氏は要所要所で山本夏彦氏の本の解説を
書いておられるが、解説を書かれている多数の人の中で、一番考察が深く、分りやすく、
鋭く、愛情深く、そして愉しめて、暖かい。
 特に、本「解説」には『山本さんは、そういう体制派(進歩派)言論人に対し、べつに喧嘩を
売らなかった。ただ嵎を負う虎のように『諸君!』の巻末数ページに拠って、ひとり吼えた。』
と書くが、その勢いが伝わる言葉であり、これ以上格好良い表現を知らない。
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