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書籍名 | : | 無想庵物語 |
シリーズ | : | 単行本 |
著者 | : | 山本夏彦 |
初版発行 | : | 一九八九年十月一日 〔平成元年〕 |
紹介版 | : | 一九八九年十月一日 第一刷 |
発行者 | : | 豊田健次 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-343590-5 |
定価 | : | 1,500 |
頁 | : | 348 |
印刷所 | : | 凸版印刷 |
製本所 | : | 大口製本 |
装幀 | : | 多田 進 |
カバー装画 | : | 辻まこと画「むかしむかしまだテレビがあった頃」(日本画廊蔵) |
カバー扉イラスト | : | 辻まこと画帖より |
口絵写真提供者 | : | 中山健次 若松流二 本田千鳥 市川廣康 中央公論社 |
初出 | : | 「諸君!」 昭和六十一年新年特別号〜昭和六十二年十二月号 |
かいつまんで言う | : |
第41回読売文学賞 受賞作品。 巻末に異常に詳細な「この物語の索引」を付している。 『・もとより完全には遠いが、事典の多くがこれを試みれば索引は一変しはしないか。索引と 同時に読物であることを心がけたから、勢い主観的になった。ご寛恕を請う。 (筆者)』と 一冊で二度おいしい造りになっている。 文藝春秋の通常の『装幀:坂田政則 カバーイラス:川田憲一または川田徹』ではなく別の 造りとしていて、新鮮であり、上品な趣が漂う。 夏彦氏の父の友人、武林無想庵氏の破天荒な生涯を哀惜の念をこめて描いた評伝であるが、 山本夏彦の半生も詳しい。 武林無想庵氏や、山本夏彦氏の父上露葉山本三郎氏や、著者の若い時など、モダンな 写真が巻頭を飾っており、力の入り具合がわかる。 本書「ダメの人」の中には『「ダメの人」というのは十七八になってから思いついた言葉であるが、 早くすでに私はこの世はダメだと見ていた。「とかくこの世はダメとムダ」だと思っていたが、それ を言うべき友もなく終日無言でむっとしていた。』と虚無感と無常観が漂い、妖しい。 更に「スキャンダル」では『ちっぽけな物識りくらいつまらないものはない。一段うわ手の物識り にあえばひとたまりもないのに、一段上がいないのを幸い物識りだと思っているのをみると片腹 いたい。』と手厳しいが、続けて『私は早く一流の物識りを知ったから、並の物識りなんか物とも しないが、並または並以下にそれと思い知らせるには少しは物識りでないと出来ないから、物 識りでないのもまた威張れたものでないと知るのである。』とどっちにしても威張れたものではない のである。 文春新書「男女の仲」の解説「山本夏彦さんの思い出」徳岡孝夫氏はその中で『「無想庵物語」 の連載中など、烈々たる気迫と熱気がページから立ち昇り読む者の顔がほてった。』とまで絶賛 している。 |
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シリーズ | : | 文春文庫 |
初版発行 | : | 1993年9月10日 〔平成5年〕 |
紹介版 | : | 1993年9月10日 第1刷 |
発行者 | : | 堤 堯 |
発行所 | : | 株式会社 文藝春秋 |
ISBN | : | 4-16-735207-9 |
定価 | : | 530 |
頁 | : | 413 |
印刷所 | : | 凸版印刷 |
製本所 | : | 加藤製本 |
装画 | : | 辻 まこと |
AD | : | 多田 進 |
初出誌 | : | 単行本 平成元年十月 文藝春秋刊 |
解説 | : | 佐伯彰一 |
かいつまんで言う | : |
山本夏彦氏の文春文庫18冊の内、7冊目。 単行本にあった写真も索引もあり、文庫本といえど丁寧な本作りに好感が持てる。 佐伯彰一氏が「解説 伝記と自伝の間」にも書いているのだが、本書258ページの山本夏彦氏 数え10歳の時の綴り方「人の一生」は本当に驚く。此れでは自分が自分を持て余すのも頷ける 切れである。 大正生まれの人が鋭いのでなく、山本夏彦氏が鋭いのである。 |
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