『室内』40年
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書籍名 『室内』40年
シリーズ 単行本
著者 山本夏彦
初版発行 平成九年三月三十日 〔1997年〕
紹介版 平成九年三月三十日 第一刷
発行者 新井 信
発行所 株式会社 文藝春秋
ISBN 4-16-352710-9
定価 1,429
285
本文印刷 理想社
付物印刷 凸版印刷
製本所 中島製本
装幀 浜野孝典
装画 浜野孝典
初出 『室内』平成七年一月号〜平成八年七月号
かいつまんで言う  『室内』連載の山本夏彦さんが社員の若い女性と語るかたちをとった問答集。
 後の文春新書3部作の先駆けであり、色々な意味で重要な本であろう。
 装幀・装画の浜野孝典氏は山本氏の名言集「何用あって月世界へ」の巻末を「なつひこ はや
わかり かるた」で飾り、その絵の洒落た感覚と中身の濃さと軽さと笑いで山本氏を喜ばせた人
で、本書でもその上品さが遺憾なく発揮されている。
 山本さんの本の愛読者はご存知であろうが、「室内」とは山本氏が創刊したインテリア雑誌で
あり、本書「和気に似たもの」に『わが「室内」の主宰者が私であることを、世間はなかなか認め
なかった。『ダメの人』『変痴気論』の著者が美々しいインテリアの雑誌の主宰者であることは、
すぐには結びつかなかったのである。ようやく結びついたと思ったら早や四十年である。』と
紹介している。
 その雑誌「室内」に連載の「日常茶飯事」を、山本氏が本書「豆記事のいい雑誌は一流」では
『読者は応接に暇がない。普通の頭じゃついて行けない。ついて行けるか、行けないかっていう
のは人間の性質なんです。男だとか女だとか家具屋だとか大工だとか、ということとは関係ない
んです。子供だって分る子は電光のように分るし、老人だって分からない人には絶対に分から
ない。』。
 ただ、当然ながら山本氏も最初から一流ではなかったわけで、戦前就職試験を受けた時の
ことを「美人ぞろい才媛ぞろい」の中で『一流が気にいる答案を書いて、その書いたことのいま
いましさにたえかねて、最後の何行かで全部ひっくり返すならそれは失礼です。試験官も馬鹿
ばかりじゃない、この若者の魂胆を見破って、編集にも営業にもそもそも何物にも向かないん
じゃないかと落とします。』と語り、根底に潜む反権力の芽や、精神の自由加減を窺わせる。
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シリーズ 文春文庫
初版発行 2000年5月10日 〔平成15年〕
紹介版 2000年5月10日 第1刷
発行者 白川浩司
発行所 株式会社 文藝春秋
ISBN 4-16-735213-3
定価 457
301
印刷 凸版印刷
製本 加藤製本
カバー 浜野孝典
単行本 平成九年三月三十日文藝春秋刊
解説 鹿島 茂
かいつまんで言う  山本夏彦氏の文春文庫18冊の内、14冊目。
 鹿島茂氏が「解説」の最後に『さらにいえば、トンチンカンな受け答え(その自覚のなさが
素晴らしい)をする女子社員との問答の呼吸が、クマ公ハチ公と長屋の御隠居のそれのようで
楽しく』と書いているが、これはどこまで筆が、または推敲が入っているものなのだろうか。
 本書全てを通しての統一感があり、なおほとんど編集がなかったとしたら「美人才媛ぞろいの
社員」であろう相手も相手である。
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