漢字検定 完全征服への道
準1級配当漢字 許容字体表1
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 漢字検定」準1級からは、解答に許容字体や旧字体が許されます。それは良い事の様にも思えますが、
意外と混乱に繋がります。例えば、下表の「倦」という漢字です。標準字体は「倦」ですが、「」でもOKです。
しかし、当然ながら、それ以外の組合せはないので、「ハ」と「己」では間違いです。中途半端に覚えるとこの
間違いを犯してしまいます。
 そして、大体が許容字体の方が簡単です。例えば「祈禱」の「禱」ですが「祷」でも良いのです。しかしながら
漢和辞典を引くと「祷」は「禱」の俗字です。生憎俗字の「俗」には怪しさが付き纏います。常用漢字は簡略化
して、それ以外は旧字体を標準字体とする無理がここにあります。
 また、統一されていない分かり難さもあります。「示」偏の「祐」や「禄」「禎」の偏は「ネ」が標準字体ですが
それ以外の準1級配当漢字は、「示」が偏となります。その辺が理解し難くなります。「 辶 」も、よくわからなくて
 準1級配当漢字では、「遥」と「遼」は、「 辶 」ですが、他は「 辶 」であり、混乱します。
  そして、一番の問題は、手書きであればなんでも良いのですが、パソコンなどで利用する日本語入力システム
のIME(IMEとは 「InputMethod Editor」 の略であり、「Windows」では文字入力を補助するソフトウェアのこと。)
では、かなりの数の準1級配当漢字の標準字体と許容字体を、表示することが出来ない事です。下表の「俠」と
「侠」は表示できますが、「」 は、普通では表示できないのです。故に、こういう形で表示しているのです。
 標準字体と許容字体が、大きく違うと大体表示できるのですが、似たような形の漢字はほぼ駄目で、そこには
色々ないきさつがあり、一筋縄では解決できませんが、大切な日本語と漢字をどう残していくのか、かなり大きな
問題だと思います。昔のものだけが有難いわけではないですが、公正で明確な指針が必要でしょう。
 そこで、「漢字検定 準1級」配当漢字の許容字体の一覧表を作成してみました。準1級配当漢字となると
画数の多い漢字も沢山で形をよりはっきりする為に大きな活字で表示しています。その内容は、大体はいい
のですが細かい事を言い出すと、参考にする資料によりかなりばらつきがあります。
 しかし、「漢字検定」の解答は、どちらの字体でも良いので余り神経質になる必要はありません。現在は絶対的
なものは無いですし、「漢字検定」の場合は、「公益財団法人 日本漢字能力検定協会」が標準であるので、
『「完全征服「漢検」準一級』を基準としました。また、準1級の許容字体は、約200字あり、WEB上の問題なの
ですが、1ページとすると、大きな表となり操作性が悪くなるので、「その1」と「 その2」と別けました。
 下に「その1」を表示します。
       ※本表は本サイトの「工房藤棚」が作成したもので、公益財団法人 日本漢字検定協会『完全征服
         「漢検」準一級』を基本に、株式会社梧桐書院『漢字検定準1級まるごと対策問題集』の「準1級
         漢字一覧」表と、早稲田教育出版『出題頻度順・完全トレーニング順1級』の「準1級配当漢字」表
         を参考にさせて頂きました。本表は部首順としましたが、『完全征服』と『まるごと対策問題集』は
         部首順で、『出題頻度順』が音読み順です。ただし、『完全征服』には、許容字体は掲載されて
         いません。
準1級配当漢字 許容字体表2    次へ
 部 首  標 準 字 体  許 容 字 体 音読み  訓読み  記      事
 1 キョウ おとこだて
きゃん
「任俠」「俠客」は「俠」が
似合う。
 2 ケン う(む)
あ(きる)
あぐ(む)
つか(れる)
点の角度の違いだけ
ではないのことに注意。
「ハ」と「己」の組合せは
ない。
 3 キン わず(かに)
わず(か)
横線が多いだけでは
なく上に突き抜けている
ことに注目。
 4 チョ そえ
もう(ける)
たくわ(える)
「者」に点がない型。
 5 チョウ しぼ(む) 中の「土」が下に突き抜けて
いる。だから土ではない。
 6 カン い(れる)
はこ
よろい
中の違いだけではないので
どちらかを完全に覚える。
 7 ハク
ホク
は(ぐ)
は(げる)
は(がれる)
む(く)
と(る)
標準字体の形が余りなく
面白い形である。
 8 ケイ
キョウ
きみ
くげ
標準字体では上に「ノ」が
あることに注意が必要。
 9 ハン
ホン
そむ(く)
はな(れる)
左側の点々の角度の違い。
 10 トン
ドン
の(む) 最初が「一」と「ノ」の違い。
 11 ショウ みはり 「肖」の点々の角度の違い。
 12
アク
ああ
わら(う)
「壺」と「壷」とは同様の型。
 13   く(らう)
く(う)
「食」の点の角度の違い。
 14 キョ ふ(く)
は(く)
すすりな(く)
うそ
「虚」の下の点の形が違う。
 15 ソウ
かまびす
(しい)
上の点々だけではなく
「田」の造りの違いにも注目。
 16 ソン うわさ 「尊」は「噂」や「樽」「猷」
「鄭」「鱒」など多数ある。
 17 ゴウ
か(む)
かじ(る)
右の口の中のに注意。
 18 ノウ
ドウ
ふくろ 「ハ」が「口口」となって
いる。画数が多いので
注意が必要。
書き順は十に口。
 19 かき 「者」に点がない型。
 20 テン ふさ(ぐ)
ふさ(がる)
うず(める)
うず(まる)
は(める)
「充塡」は今でもよく見る。
 21 トウ つつみ 右の縦棒が下に突き抜けて
いるのに注意。
 22 つぼ 「啞」と「唖」とは同様の型。
 23 セツ いさぎよ(い)
くず
「肖」の点々の角度の違い。
 24 しばしば 知らないと許容字体とは
わからない。
「藪」と「薮」と同様の型。
 25 けわ(しい) 「山」の 位置が違う型。
標準字体の方が自然。
 26 ガイ がけ
かどだ(つ)
 27 けわ(しい)
 28 コウ ちまた 「巳」と「己」の違い。
 29 ソウ めぐ(る) 新漢語林によると
「帀」が本字となっていて
部首も微妙らしい。
 30 ホウ くりや 「巳」と「己」の違い。
 31 キュウ うまや 「厩舎」の「厩」も許容字体。
 32 ショウ かりや
うまや
しごとば
「尚」の点々の角度の違い
だけではないことに注意。
 33 チュウ
くりや
はこ
「一」と「士」の違いだけでは
ないことに注意。
 34 ビョウ たまや
みたまや
おもてごてん
やしろ
「月」の点々の角度の違い。
 35 よ(い)
しるし
「山」と「糸」の間に一本
線が少ない。
 36 カイ おお(きい)
ひろ(い)
「灰」に味がある。
 37 いよいよ
い(える)
い(やす)
殆ど同じだが、細かく
見るとかなり違う。
 38 バン ひ(く) 「免」の扱いは統一されて
いないので注意が必要。
 39 チョク はかど(る) 標準字体は「少」の点が
少ないが、今ではかなり
違和感がある。
 40 ケン ま(く)
まく(る)
めく(る)
いさ(む)
「倦」の型と同様で
上が「ソ」なら下は「己」で
なければならない。
 41 セン そろ(う)
そろ(える)
そろ(い)
「月」の点々の角度の違い。
 42 ソウ か(く) 「蚤」の違い。
点が2点少ない。
 43 カク つか(む) 標準字体には味がある。
 44 シュウ
ロウ
たた(む)
ひだ
す(る)
くじ(く)
「羽」の形の違い。
この型は準1級でも多数
ある。
 45 セン
サン
えら(ぶ) 「巳」と「己」の違い。
 46 タク
テキ
ぬ(く)
ぬき(んでる)
「羽」の形の違い。
 47 コウ
カク
みだ(す)
ま(ぜる)
冠はメメに注意。
 48 カイ みそか
つごもり
くら(い)
くら(ます)
「毎」が「母」の形。
「毎」の下は「母」とは違う。
 49 シュウ
ユウ
なら 「尊」は「噂」や「樽」「猷」
「鄭」「鱒」など多数ある。
 50 ツイ つち
う(つ)
「 辶 」が「 辶 」の型。
 51   さかき 「ネ」が「示」の型。
 52 トウ
とい
「 辶 」が「 辶 」の型。
 53 ソン たる 「尊」は「噂」や「樽」「猷」
「鄭」「鱒」など多数ある。
 54 カイ ひのき
知らないと許容字体とは
わからない。
点々の角度に注意。
 55 トウ きりかぶ
おろ(か)
「寿」が「壽」の型。
他に「濤」や「禱」がある。
 56 シツ くし
くしけず(る)
「即」の違い型。
 57 タン たた(える)
なげ(く)
左の横線が多いだけでなく
縦線が突き抜けている。
「灘」も同様。
 58 キュウ く(む)
ひ(く)
「及」の違い。標準字体は
一画多い。
 59 イン ふけ(る)
あふ(れる)
ほしいまま
みだら
みだ(す)
おお(きい)
点の角度の違いだけでなく
横線の長さにも注意。
 60 エン ふち
ふか(い)
おくぶか(い)
知らないと許容字体とは
わからない。
 61 イツ あふ(れる)
す(ぎる)
おご(る)
み(ちる)
こぼ(れる)
面白い形であまりない型。
 62 デキ
ニュウ
ジョウ
おぼ(れる)
ゆばり
いばり
「弱」の形の違い。
 63 カイ
ガイ
そそ(ぐ)
すす(ぐ)
他とは少し違う変化の型。
 64 レン さざなみ 「 辶 」が「 辶 」の型。
 65 ハツ そそ(ぐ)
は(ねる)
「發」と「発」の違い。
他に「醱酵」の「醱」がある。
 66 トウ なみ 「寿」が「壽」の型。
他に「檮」や「禱」がある。
 67 トク みぞ
けが(す)
あなど(る)
「賣」が「売」の型。
 68 チョ みずたま(り)
た(まる)
中が「いのこへん」の
形か「犭」かの違い。
 69  「滝」の旧字体。
 70 ジョウ
セイ
とろ 「静」の旧字体の「靜」も
「月」が「円」であることに
注意。
 71 カン そそ(ぐ) 「灌漑」は今でもよく使う。  
 72 ダン
タン
はやせ
なだ
横線が一本多く
縦線が突き出ている。
「歎」と同じ型。 
 73 シャク や(く)
あき(らか)
あらかた
やいと
「勺」の横一と点の違い。
 74 エン も(える)
ほのお
「臼」と「旧」の違い。
 75 セン い(る)
に(る)
せん(じる)
せま(る)
「月」の点々の角度の違い。
 76 レン ね(る) 「東」の形の違い。
「諫」も同様。
 77 セン あお(る)
おだ(てる)
おこ(る)
あお(り)
「扇」の形の違い。
標準字体には味がある。
 78  「灯」の旧字体
 79 ハイ ふだ 「卑」縦線がノになって
いることに注意。準1級
にはこの型がかなりある。
 
 80
きば

さいとり
「牙」が入っている
漢字は多数あるが、
完全征服では「牙」で
標準字体となっている
ことが多い。
 81 ユウ はか(る)
はかりごと
みち
「尊」は「噂」や「樽」「猷」
「鄭」「鱒」など多数ある。
 82 ソウ こしき 「曾」と「曽」の違い。
 83 シュウ
ソウ
や(せる)
こ(ける)
ほそ(い)
痩せるはよく使う漢字で
許容字体は難しくない。
 84 コウ さわ
さつき
5月の別称「皐月」の
「皐」。
 85 ベツ み(る) 最初の2点の点の角度の
違い。筆準は最初「小」で
「冂」で「小」の17画。
 86 レイ あらと
と(ぐ)
みが(く)
「萬」が「万」の違いだが
違いすぎ。
 87 コウ あらがね 「廣」と「広」の違いだが
違いすぎ。
 88 おお(いに)
おお(きい)
さか(んに)
「示」が「ネ」の型。
 89 くにつかみ
 90 トウ いの(る)
まつ(る)
 91 デイ
みたまや
かたしろ
 92 ショウ
ビン
はかり 「平」の点々の角度の違い。
 93 ハイ ひえ
こま(かい)
「卑」縦線がノになって
いることに注意。前の
「牌」と同様の型。
 94 エイ ほさき
すぐ(れる)
「禾」と「示」の違いの型。
 95 シュウ あき
とき
この漢字を漢字検定で
書くには自信が必要だ。
 96 穿 セン うが(つ)
は(く)
つらぬ(く)
ほじ(る)
ほじく(る)
「牙」の形が微妙に違う。
 97 ソウ かまど
へっつい
この形には「蠅」があるが
一度覚えたら忘れない。
 98 キュウ おい 「及」の違いで一画多い。
 99 セン 「月」の点々の角度の違い。
100 チョ はし 「者」に点がない型。
   標準の日本語入力システムにより表示出来ない漢字は 超漢字検索  を利用させて頂きました。
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