変痴気論
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本カバー 変痴気論 著者:山本夏彦 発行所:毎日新聞社
書籍名 山本夏彦変痴気論
シリーズ 単行本
著者 山本夏彦
印刷 昭和四十六年五月一日
初版発行 昭和四十六年五月十日 〔1971年〕
紹介版 昭和四十六年五月十日 初版
編集人 星野慶栄
発行人 朝居正彦
発行所 毎日新聞社
番号 0095-661600-7904
定価 560
286
印刷 東京ベル印刷
製本 佐久間製本
装本 山藤章二
初出誌 「室内」−『日常茶飯事』
かいつまんで言う ■「室内」に連載した『日常茶飯事』を毎日新聞社で単行本にしたもの。
 山本夏彦氏の本で毎日新聞社の出版は唯一。昔は時々新聞にも書いて
 いたらしい。装本も山藤章二氏であり、今で言う個性的であり、味が濃い。
 この単行本はどうしても欲しかったら、古本の市場で入手可能かと思う。
 ただ、文庫本で読めるし、文庫本の改版も出版されている。
  相変わらずキレ鋭く本書「コカコーラ」には『今の一流が何をしているか、
 知れたものでないと、これは別世界の一流から察して、私は怒ってなんぞ
 いないのである。』と怒っている。だが、これはまだ昭和40年代である。
 今のコラムではない。高度成長の時である。まだ赤字国債も発行していなく
 社会が明るい未来を疑わなかった時の話である。石油ショックが昭和48年。
 赤字国債を発行し出したのが、昭和50年度である。今に比べればモラムも
 規律も高かったと考えられる時代である。その時にさえ此れである。
 地震が来なくても倒れる恐れのあるマンションを平気で建てる病原菌は
 いつの時にも我の中にあるのだなぁ。さらに本書「乗車拒否」では『今の客は
 一見紳士淑女の如くだが、じつはドロボーで、その証拠に夜ごと泡をとばして
 雲助と争っている。新聞もテレビもそのドロボーに加勢して、片っぽばかり
 咎めている。なに、われもひとも雲助だと、私は笑うが如く嘆くが如くながめている。』
 と、人をドロボーだと言い切っている。雲助だとまで言う。痛快を越えて、誤解を 
 誘っている。あまりと言えばあまりであるが、この毒舌が山本節也である。
  他に「レパートリー」に『電気がつかなかったのは、自分の家だけではなかった。
 どこの家にもつかなかった。何のこともありはしない。日本の夜は、暗かったのである。
 そのかわり、月は明るかったのである。』と明確に断定されると、なるほどなと納得
 している自分があるが、皆が皆納得するものでもないのだろう。分りたいものを
 分っただけで、それを嫌悪する自由もあり、山本氏は十分理解し確信犯である。
  また、「おだぶつ」には『木々には木々の命のサイクルがある。人には人のそれが
 ある。子供がはたちになったということは、その用意ができたということである。
 すなわち、前の葉っぱは落ちるべきである。人間五十年とはよく言った。』とあり
 一番根っこのところで人を問うている。しかし、誰もどうにも出来ない。織田信長の
 時代ではない。しかし、同じ日本人ではある。欲張り過ぎなのか。数えたらそろそろ
 おだぶつか。鰐にでもなるしかないのか。
  
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シリーズ 中公文庫
印刷 昭和五十四年七月二十五日 〔1979年〕
初版発行 昭和五十四年八月十日
紹介版 昭和五十四年八月十日 初版
発行者 高梨 茂
発行所 中央公論社
番号 1195-690151-4622
定価 320
272
製版印刷 三晃印刷
カバー トープロ
製本 小泉製本
カバー 早坂 信
初出誌 昭和四十六年五月 毎日新聞社刊
解説 渡部昇一
かいつまんで言う ■本書も改版が出て、見事に甦った。最後は中身なのだからそれはそれで
 良いと思うが、黄ばみ小さなフォントで、行間が詰まった本を読み返すと
 その時代が甦り懐かしい。その時に面白く、そして今でも愉しめる本を
 買っておいてよかったなとしみじみと想う。渡部昇一氏が「解説」に『つまり
 反覆することにも耐えるものがあるということである。』というのが核心を衝いて
 いるのであろう。時代と流れるのは簡単であろう。流れ流され何処行くの?
  
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シリーズ 中公文庫 改版
改版発行 2003年11月25日 〔平成15年〕
紹介版 2003年11月25日 初版
発行者 中村 仁
発行所 中央公論新社
ISBN 4-12-204291-7 C1195
定価 590
317
印刷 三晃印刷
製本 小泉製本
カバー画 前田昌良「夏のかげり」(1992年、油彩)
カバー 中央公論新社デザイン室
初出誌 昭和四十六年五月 毎日新聞社刊
解説 安野光雅
かいつまんで言う ■改版は、活字ポイントも行間も大きく、読みやすくなっている。
 改版は同じ出版社の同じ本で45頁も多い。でも、それはそれが得ではない。
 人口減少時代になり、時間が出来た高齢者がじっくり読めればそれは得である。
 裏カバーに『聞く耳を持たなければ、言語は通じるものではない。持てば子供にも
 通じる。通じなくても、へんな話を聞いた印象だけは残る。それでいい。話なんて
 そんなものだ・・・・・・』とあるが、逆を言えば年を取ったからといえど、分らない
 ものは分らない。別に山本夏彦の本を分れと言っている訳ではない。
本カバー写真には関係各位の著作権保護の為に透かしを入れていますので、御了承及び御注意下さい。
 
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