生きている人と死んだ人
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書籍名 生きている人と死んだ人
シリーズ 単行本
著者 山本夏彦
初版発行 一九八八年十一月二十日 〔昭和63年〕
紹介版 一九八八年十一月二十日 第一刷
発行者 豊田健次
発行所 株式会社 文藝春秋
ISBN 4-16-342750-3
定価 1100
259
印刷所 凸版印刷
製本所 加藤製本
装幀 坂田政則
カバーイラスト 川田 徹
初出誌 「文藝春秋」 昭和59年9月〜昭和63年10月  
『みれん』のみ「中央公論」 昭和62年3月号
かいつまんで言う ■月刊「文藝春秋」名物・巻頭随筆で好評を博す48編に『みれん』を加えた本。
 文藝春秋の「諸君!」「文藝春秋」「室内」に連載したものを纏めたシリーズは 
 『装幀:坂田政則 カバーイラス:川田憲一または川田 徹または川田 進』であり
 これはその9冊の第5冊目である。
  約1年前に出版した単行本「『戦前』という時代」は「諸君!」からをまとめたもので
 あり、今回は「文藝春秋」であり、似た装幀としているが、本の中身は全然違う。
 特に「『戦前』という時代」は紙面に活字一杯であり、本書とは大違いである。どちらが
 よいかではないが、本書の方が読み易いのは確かである。書いてある内容もかなり
 分りやすく、飛んで跳び彼方に行ってまた戻ってもあるが、「文藝春秋」に連載という
 ことの工夫なのであろう。
  山本氏は昭和59年、「世相を諷刺しながら真の常識の復権に寄与」したとして、第
 32回菊池寛賞を受賞しており、その受賞挨拶を本書「あいさつ」に書いているが、
 それによると「室内」に書いて26年、「諸君!」に書いて12年、「週刊新潮」に書いて
 6年、「プレジデント」に書いて5年近くとあり、この夫々の永さは特筆ものだろう。
 そしてそれらは、まだまだ続いたのである。
  また、「あいさつ」には「春秋に義戦なし」のひとことを『これだけで分るひとには分ります。
 なぜ分るかというと分ろうと思って待ちかまえているからで、待ちかまえていない人には
 千万言費やしても分りません。故に費やしません。費やす人もありますがそれは別派
 です。』と書き、当然ながら、納得する人は納得し、納得しない人は納得しない。
  山本氏は昭和61年5月夫人をガンで亡くされている。「おわりに」に妻の晩年2年近くを
 『それはいつもどこかに死のかげがさしている尋常でない日々であった。何事もないのが
    ありがたい日々であった。』と心痛深かっただろうなと思わせる、私生活を素直に振り返って
 いる。そしてその後を「みれん」に『私はこれまで喜んで生きてきたわけではない。それは
 絶望というような大げさなものではない。むしろ静かなものである。』と静かに語る。
  山本夏彦氏の本を余り読まない人にも薦めたい本の一冊である。
  
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シリーズ 文春文庫
初版発行 1991年11月10日 〔平成3年〕
紹介版 1991年11月10日 第1刷
発行者 豊田健次
発行所 株式会社 文藝春秋
ISBN 4-16-735206-0
定価 400
267
印刷 凸版印刷
製本 加藤製本
カバー 多田 進
初出誌 単行本 一九八八年十一月文藝春秋刊
解説 植田康夫 
かいつまんで言う ■山本夏彦氏の文春文庫18冊の内、6冊目。
 解説の植田康夫氏は後の名言集「何用あって月世界へ」の選者であり、何故この時に
 解説を依頼されたかは知らないが、この解説が本「何用あって月世界へ」の選者を
 務めたきっかけのひとつであろうなと思わせる出来である。その「解説」の最後に
 『山本氏の文章は、眼で読むだけの文章ではなく、耳で聞いてわかる文章なのである。
 このことは、山本氏の文章を、一度声を出して読んでみると納得出来るが、『生きている
 人と死んだ人』という本は、そんな事情も教えてくれる。』と今流行の声に出して読む事を
 実践するに値する本であると教えてくれている。
  裏カバーのコピーに『細事を描いて大事に到り、辛辣にして滋味に溢れる山本コラムの
 醍醐味をどうぞ!』。
 
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